ジメジメとした梅雨の時期、日本独特の高温多湿な環境が不快なのは、人もデグーも一緒です。6~7月の憂うつな季節をどうやって乗り切ろうか、毎年悩みますよね。
デグーの寒さ対策、暑さ対策については過去に紹介してきましたが、湿度対策については触れていませんでした。デグーたちにとっては、梅雨の湿度もしっかり対策をする必要があります!今回は、その湿度対策についてお話をしたいと思います。
(執筆者:上田絵美)
乾燥地帯から高温多湿の日本へ
デグーは「アンデスの歌うねずみ」と言われています。もともとの生息地帯はアンデス地方(南半球の高原地帯)ですが、その険しい山麓に群れをなして生活しています。標高が高く乾燥地帯に住んでいるため、日本の高温多湿な夏の気候はデグーにとって住みにくいものにちがいありません。
そんな住みにくい日本にやってきたデグーが、快適に暮らしていくためには飼い主が環境を整えてあげるしかないのです。環境を整えるはエアコンで温度・湿度管理することが必要ですが、それ以外のことも必要になってきます。
デグーの適正湿度を考える
デグーにとって快適な湿度は50%と言われています。
温度は一年通して20度前後が適温とされていますが、我が家の夏場は24~27度、冬場は20度~23度くらいに設定しています。
何もしないで湿度50%をキープすることは到底難しく、エアコンなどの器具を使って調整することが不可欠です。梅雨時期はさほど気温が高くない時でも、雨が降ると湿度が70%を超えてくることがあります。
湿度が70%になるとカビ・ダニなどの微生物が繁殖しやすくなり、デグーだけでなく人間の環境としても注意が必要です。エアコンは主に暑さ(寒さ)を調整するために使いがちですが、ドライ機能を上手に使って湿度を下げましょう。
しかし、ドライ機能を使うと室温がかなり低下してしまうこともあります。エアコンに再熱除湿機能がついていない場合、ドライ機能を使う際は室温の低下に注意が必要です。
※除湿機能(ドライ):一度内部で空気を冷却し、水分を取り除いたのち、乾いた空気を戻すことで室内の湿度を下げる機能
※再熱除湿機能:水分を取り除いた冷たい空気を再び温めて送風する機能
デグーたちは、エアコンの使用で夏でも寒がることがあります。うさ暖などの暖房器具に寄り添っていたり、多頭飼いでデグー団子になっている場合は、デグーにとって寒いのだと思ってください。
デグーが寒がっている合図を見逃していませんか?デグーが寒さを感じているときに以下のような動きをしています。
・ペット用ヒーターにベッタリくっ付いて離れない
・一か所に固まって動かない
・普段と様子が違う
・毛がザワザワ(ゴワゴワ?)している
人間の適温=デグーの適温ではなく、デグーが無防備におなかを出して眠るような温度が適温だと考えています。とはいうものの、この時期の温度調整はなかなか難しいのが現状です。
エアコンによる低体温症にならないためにも、冷たい風が直撃しないようにケージの位置を移動したり、ヒーターなどの暖房器具を常設しておく方が安心です。
※低体温症:動きが非常に鈍い、体が冷たく寝たまま反応が薄い、ふらふらしているなどの症状が起きる。
湿度がデグーに及ぼす様々な影響
湿度管理を甘く見るとデグーに一体どんな影響が及ぶのでしょうか。考えられる影響を挙げてみます。
(1)皮膚病・抜け毛
湿気が多いとカビやダニが繁殖しやすくなります。カビの一種である「真菌」は、デグーの皮膚病を引き起こすことがあります。デグーが痒がるそぶりを見せたり、フケなどの症状が現れたら、病院で相談することをオススメします。
痒みなどから毛をむしったり皮膚をかじったりして、症状を悪化させないとも言えません。また、真菌は人にも感染することがあるので、飼っているデグーに真菌の可能性がある場合は、免疫力の弱い家族を近寄らせないなどの予防を取った方がよいでしょう。
ただし、抜け毛やハゲの原因は真菌によるものばかりでなく、ストレスやクセの場合もあります。
(2)熱中症
人は汗をかくことで体温を下げようとしますが、デグーは恒温動物であり、汗をかきません。仰向けに寝るなどの行動で体内の熱を逃がすので、ある程度の温度変化には対応できます。
※恒温動物:外気温に関係なく体温を維持できる動物のこと。哺乳類、鳥類など。
しかし、「長時間の高温多湿状態」や「対応できる温度湿度」を超えた場合は、意識障害やけいれんなどを発症 ⇒ 熱中症になる危険性が高くなります。
温度変化に弱い生後間もない赤ちゃんや高齢のデグーは、特に注意が必要です。デグーが以下のような状態になってしまったら、熱中症の可能性があります。
デグーの熱中症のサイン
- 1うずくまったまま動かない
- 2フラフラしている
- 3けいれんを起こしている
- 4耳が異常に赤い
このような症状が見られたら、ただちにケージごと涼しい部屋に移してください。その後、ビニール袋に入れた冷たいタオルで体を冷やし、回復を待ちます。
※直接濡れたタオルをあてないでください
脱水症状を起こしている場合もあるので(体を冷やそうとして舐める)、口元に給水器を近づけて飲ませてください。ただし、誤嚥する危険があるので無理に飲ませないようにしてください。
※誤嚥:食べ物などが誤って肺などの器官に入ること
それでも症状が回復しない場合は、早急に病院に連れて行ってください。デグーの熱中症は一刻を争う場合があります。悲しい結末にしないためにも、温度だけでなく湿度の管理がとても重要だと言えます。
湿度を下げる様々な方法(エアコン以外)
湿度による影響を色々お話ししてきましたが、湿度はどうやって下げたらよいのでしょうか。一番簡単な方法は、やはりエアコンの稼働です。では、エアコンを使わない除湿方法はあるのでしょうか。いくつか考えられる方法を挙げてみます。
(1)窓やドアを開ける
これが一番手っ取り早く室内の湿度を下げます。ポイントは2か所以上の窓やドアを開け、空気の通り道を作ること。「換気扇を回す」、「扇風機などを窓の外に向けて、室内の湿った空気を出す」とより効果的です。
(2)除湿グッズを使う
ドラッグストアやホームセンターでも、たくさんの除湿グッズが売られているので、それらを上手に利用しましょう。以下のようなグッズをケージ周りや室内の湿気が多い場所に設置して除湿します。
ポイント
- 備長炭(ついでに嫌なニオイも取れる)
- タンク型除湿剤(吸い取った水が見えて効果が分かりやすい)
- 重曹(口の広い容器に入れて置き、水分を含んで固まったら取り除く)
- 新聞紙、ダンボールなどの紙(靴の中や下駄箱の中に入れると湿気を吸ってくれる)
(3)除湿機
エアコンが無い部屋や諸事情で使えない場合は、除湿機を使うと良いでしょう。我が家には除湿機がないので、少し除湿機について調べてみました。すると、除湿機の種類によっては室温を数度上げてしまうことがあるということが分かりました。
除湿機を稼働するためには、モーターが必要であり、機械自体が熱を帯びてしまいます。その結果、吐き出される空気は冷たくても、機械自体が室内の空気を温めてしまうのです。更に調べてみると、除湿機には冷やすタイプと熱するタイプがあることがわかりました。
コンプレッサー方式
フロンガスを使用し発熱が少なく省電力・冷やして除湿する・夏向き
デシカント方式
ヒーターを使って除湿するので発熱する・高電力・冬向き
ハイブリッド方式
コンプレッサーとデジカントの両方の特徴を備える・一年中使用可・高価
ペルチェ方式
パソコンの冷却機能と同じ方法で除湿・コンパクトで安価・狭い部屋用
上記のようにそれぞれ性質性能が違います。除湿機を購入される場合は、使われる時期、部屋の大きさ、用途によって選ばれた方が良いでしょう。
さいごに
温度管理だけでなく、湿度管理が大切だという事がお分かりいただけたと思います。もっと大切なことは、自分の育てているデグーの飼育環境が今どうなのかを知る事です。
もちろん、お住まいになっている地域、お部屋の構造でも温度や湿度は違います。今日は大丈夫でも明日は全然違う気温や湿度になったりします。常にアンテナを張り巡らせていなければなりません。
また、室内の温度を正確に知るためにも「温湿度計」は必須アイテムになります。目に見える安心は必要です。ただ、室内に温湿度計があるということではダメです。ケージ内やその付近では全く違う数値だったりするからです。温湿度計はケージやケージのそばに設置することをお勧めします。
飼育本や本ブログはあくまでも参考程度にして、飼われているデグーの状態を見ながら、飼い主ご自身が適正温度・湿度を設定してあげることが大切です。上手に温度・湿度管理をしながら、憂うつな蒸し暑さを吹き飛ばして、快適なデグーライフを送ってくださいね。