デグーの尻尾が切れたとき、どのような対応を取っていますか?デグーの尻尾は、もともと敵から身を守るために切れやすくなっています。
(執筆者:animal_care_information)
室内飼育では野生と違って敵はいませんが、同居デグーとの喧嘩や部屋んぽ中の事故(うっかり踏んでしまう、サークルやホイールに引っかかった)などが原因で、尻尾を怪我することがあります。
トカゲのようにスパッと切れてくれるならまだしも、皮膚だけがズルッとむけて痛々しい姿になってしまうことも多いです。
とはいえ、すぐには動物病院に連れていけないときもあります。
デグーの尻尾が切れてしまった!そんなときに焦らないように、デグーが尻尾を怪我したときの対処法を解説します。
まずは怪我の状態をチェック
「大変!早く病院に行かなくては!」
焦る気持ちをぐっとガマンして、まずは怪我した部分をよく観察してみましょう。
- 皮膚がむけただけの状態?それとも尻尾が完全に切れてしまった状態?
- 出血はどのくらいですか?
- 骨がむき出しになっていますか?
- 変な方向に折れ曲がっていないですか?(骨折や脱臼)
出血が少なく、骨折や脱臼の治療が不要の場合は自宅で様子をみるだけでも大丈夫です。
もちろん、怪我した当日のデグーは、痛みとショックで元気がなくなることもあります。
ですが、通常は数日で食欲も元気も復活します。
多くの場合、尻尾の怪我は動物病院で治療を受けなくても治ります。
しかし、例外もあります。
12~3日様子をみても患部がひどく腫れていたり、食欲が落ちたままだったり、膿(うみ)が出てくるような場合は治療が必要です。
自宅で様子見するときの注意点
飼育環境がある程度清潔であれば、怪我した部分から感染が起こる心配はほとんどありません。もともとデグーの尻尾は切れやすい構造なので、多くの場合は自然に治ります。
尻尾の先は血液の流れが悪くなり、ミイラのように黒っぽくなって(壊死といいます)脱落してしまいます。
反対に、尻尾の健康な部分は傷が治れば徐々に毛が生えてきます。
デグーの尾切れに抗生剤を使っても、傷口を縫い合わせても治るまでの日数は自宅で様子見した場合と変わりません。
デグーの尻尾の皮膚は非常に裂けやすいため、縫い合わせることが難しいのですが、ムリして傷口を閉じなくても、出血が続くことはまれです。
1ただし、尻尾が切れた部分を同居の子が気にしてガジガジ噛んでしまうときは、出血や感染が心配です。隔離して飼育したり、念のためにお薬を使う必要があるかもしれません。
動物病院に連れて行く方が安心なのでは?
出典 Deguあられ
デグーの尻尾が切れてしまったら、まずは落ち着いてください。怪我した直後の患部は無菌的な状態に近いです。
ところが色々な人が触ったり、いつもと違う場所に連れて行くことで傷口に雑菌が付いたり、デグーに精神的ストレスがかかったりします。
傷の治し方は、デグー自身が本能的に知っています。
デグーは賢い動物です。周囲が心配するとデグーも尻尾が気になってしまいます。
最初に患部をよく観察し、どうするか決めたら、できるだけ通常どおり接してあげるといいでしょう。
動物病院に連れて行く利点としては、美容上の問題があります。
適切な時期に処置すると、自然に放置したときより少しでも尻尾を長く残せる可能性があります。
傷跡の見た目は最初の怪我の状態に左右されることが多く、自然放置したときとそれほど変わりません。
また、デグーにエリザベスカラーを付けてしまうような病院はお勧めしません。
エリザベスカラー(Elizabethan collar)とは、手術、皮膚病、怪我などによる外傷を持った動物が、傷口をなめることで傷を悪化させることを防ぐ為の、円錐台形状の保護具である。
引用:wiki
デグーは首の周囲の感覚が発達していて、首の筋肉が緊張する状態をとても嫌います。
反対に、尾切れから来るストレスは人間が思っているよりずっと少ないです。
動物病院に行く場合は症状をチェック!
動物病院で受診する場合は、デグーの状態を確認してから行きましょう。
- 明らかに出血がひどい(最初のうちは毎日出血しても、少量なら大丈夫です)
- 傷口が不衛生(同居のデグーが何度も噛んだり触ったりしている、など)
- とにかく心配から解消されたい
- 薬を飲ませた方が早く治る気がする
上記のようなことがはっきりすれば受診の目安になります。
また、「どうして尻尾の怪我が起きたか?」を考え、再発防止の対策も同時におこないましょう。
筆者個人は「デグーの尻尾の怪我は自宅で治せる」と考えています。
獣医師の本音として「来院してくれた以上、何か処置をしなくては」という気持ちになります。
内心では「このまま様子見しても、自然に治るのにな~」と思っていても、つい「感染予防に抗生剤を出しますね」と言ってしまいます。
デグーの場合、イヌやネコのように尻尾の傷口から全身感染を起こすことは、まずありません。ただし、デグーの飼育環境や飼育条件はさまざまなので、判断材料のひとつとして役立てば幸いです。
編集後記
運営者(TORU)もデグーの尻尾を切ってしまったことがあります。
「デグーに気づかず、尻尾を踏んでしまった」という事故が多いのですが、うちの場合は粘着テープに引っ掻けてしまい、尻尾の1/3程度が切れてしまいました。
そのときは出血量が多かったので、すぐに病院に連れて行きました。
(参考:デグーを動物病院に行くときのポイント3つ!受診目的は具体的に! )
(参考:デグーの動物病院選び5つのポイント!かかりつけは2軒あると安心)
ちなみに、飼育環境を清潔に保つために以下のことをしておきました。
- 砂の瓶をケージから外しておく
- 寝床をキレイな物に変えておく
- 敷き牧草を新鮮なのにする(少しだけ入れておきました)
などなど、なるべく早く治ってもらいたいのでケージ内を清潔にしました。
砂が尻尾周りに付くのはとくに避けたいと思いました。
今回の記事にもありますが、まずは尻尾の状況を見極めることが重要です。
そして、必要ならすぐに病院で診てもらうことをオススメします。
追記
「砂には止血効果があると聞いたことがあります。実際どうなのでしょうか?」
記事公開後にこういう質問をいただきました。
こちらについては私も知らなかったので、獣医のanimal care informationさんに質問してみました。
- デグーが尻尾を怪我した際に「砂の瓶をケージから外しておく」という旨を書いたのですが、止血目的で入れておいても問題ないのでしょうか?
- いえ、私も砂の瓶は出しました。傷口には砂が付着しない方がいいと思います。砂にオシッコなどが吸着されると、砂が傷の汚染源になると考えられます。
以上のような回答をいただきました。
様々な意見があるとは思いますが、獣医さんの意見として参考にしていただければ幸いです。