「食物繊維はなんとなく身体に良さそう!」と思って積極的に食べている方も多いのではないでしょうか。実は、この食物繊維は2種類に分類されています。
また、それぞれ働きが異なり、摂取する配分が大切です。今回は、ダイエットにも美容にも欠かせない食物繊維の基本的な特徴について紹介します。
食物繊維のこと、どれくらい知っていますか?
食物繊維は、5大栄養素である
・タンパク質
・炭水化物(糖質)
・脂質
・ビタミン
・ミネラル
にプラスされ、第6の栄養素として注目されている栄養素です。
昔は人体に吸収されない栄養素であることから、あまり重要視されていませんでした。しかし、近年では人体には吸収されないからこそ「排出」する作用があり、その排出の働きに評価が高まっています。
摂取する食物繊維の種類によって、身体への影響が変わってくるのも特徴です。
今まで、お腹をスッキリさせるために食物繊維を摂取しても
「うーん・・・、思ったように改善されない」という方は、食物繊維の選び方を間違えてしまっていた可能性もあります。
間違えた繊維の摂り方は逆効果になってしまう可能性も・・・食物繊維の「働き」を知ることで、自分にあった食物繊維の摂り方を見つけていきましょう。
そして頑固な便秘の解消を目指しませんか?
ここがポイント!食物繊維は2種類ある
食物繊維には、
「水溶性食物繊維」
「不溶性食物繊維」
の2種類が存在します。
この2種類の違いは、文字通り「水に溶けるかどうか」ということです。水に溶けるほうが水溶性、溶けにくいほうが不溶性です。
水溶性食物繊維には、サラサラ系とネバネバ系の2つがあります。水溶性食物繊維の特徴&働きは以下の通りです。
水溶性食物繊維の主な特徴
1便秘解消に関わる様々な役割を担う
水溶性食物繊維は、水に溶けることで特有の粘着性を持ちます(ゲル状になります)。これを粘性と言います。
そして、この粘性によって以下のような働きがなされます。
- 便に水分を与え、柔らかい状態にし、排泄するまでのスムーズな流れをつくる
- 食べた物が、ゆっくりと胃腸内を移動するため、吸収速度が抑えられ、食べすぎ防止につながる
- 糖質の吸収も緩やかになり、食後の血糖値が急激に上昇するのを抑制する
- コレステロールや胆汁酸を吸着して、便とともに排出する
2腸内環境の整備
水溶性食物繊維は大腸内で発酵(分解)され、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになります。すると、体内に善玉菌が増えて、腸内環境が整います。
海藻類(昆布、わかめ、もずくなど)、納豆、山芋、サトイモ、オクラなどのネバネバした食材、アボカド、プルーン、ライ麦、押し麦等に多く含まれています。
不溶性食物繊維には、便のカサを増やして腸の動きを活性化させるなど、デトックスの作用が期待できます。不溶性食物繊維の特徴&働きは以下の通りです。
不溶性食物繊維の主な特徴
1便の排出の促進
高い保水性を持ち合わせており、胃や腸で、水分を吸収して数倍にも膨れ上がります。膨らむことで腸を刺激するので、便を排出するための腸の「蠕動(ぜんどう)運動」を活発にします。結果、便の排出を促すことになります。
2食べ過ぎ防止
不溶性食物繊維の多い食べ物は、よく噛んで食べる必要のあるものが多いです。
(繊維質が糸状に長い筋になっているハチの巣状であるなど)
良く噛んで食べることで、満腹中枢が刺激され、食べすぎ防止も期待できます。
3解毒(デトックス)
体内に溜まってしまう有害物質(重金属やダイオキシンなど)を吸着し、排泄する働きをします。
不溶性食物繊維は、比較的様々な食材に含まれています。代表的なものとしては、玄米などの雑穀類、サツマイモなどのいも類、ごぼうなどの根菜類、豆類、きのこ類、甲殻類の表皮(エビやカニ)に含まれています。
食物繊維はバランスが大切!
食物繊維をたっぷりとる ⇒ 便秘解消になる
という考えから、食物繊維が豊富な根菜類や玄米を多く食べて、あまり便秘が良くならなかったという経験はありませんか?確かに、根菜類や玄米には食物繊維が多く含まれています。
ただし、その大半を「不溶性食物繊維」が占めているのが盲点です。不溶性食物繊維を摂りすぎてしまった場合、便の水分が吸収されて固まってしまい、逆に便秘を招いてしまう可能性があります。
つまり、よかれと思って沢山食べた食物繊維が、逆効果になってしまっているかもしれないのです。これまで食物繊維をたっぷり摂っていたのに便秘が改善されなかったという方は、水溶性と不溶性のバランスを見直してみるとよいでしょう。一般的な水溶性と不溶性の理想の比率は以下の通りです。
水溶性:不溶性=2:1
「食物繊維は、水溶性と不溶性をバランス良く摂取する!」
ということを基本に、自分にあったバランスを見つけるのが便秘解消のはじめの一歩です。今度こそ、辛い便秘から解放され、スッキリ快適なお腹になりましょう!